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残り9.7秒—折れない心が繋いだ、勝利のゴール
- 2025年11月29日
- admin
苦しい39分の先に集約された、全員バスケ。
山梨クィーンビーズ 86-83 SMBC TOKYO SOLUA
(2025年11月29日/小瀬スポーツ公園体育館)
SMBC TOKYO SOLUAとのゲーム1
前日練習を終えた石川幸子ヘッドコーチ、キャプテン井上桃子共に警戒を示した、SMBCのスリーポイント。
そのスリーポイントを容易に打たせてしまったことから、試合の終盤。最後の最後まで勝敗の行方が見えない、クィーンビーズにとっては重苦しい試合展開となってしまった。

試合はSMBCのフリースローで幕を開けた。
対するクィーンビーズは片山菜々のミドル、ダラーメ・マレム・ドイ、池田沙紀の2Pでテンポよく加点し、開始2分で6-1。立ち上がりは理想的であった。
しかし、この試合でクィーンビーズを苦しめ続けることになるディフェンスリバウンドと3P対応という課題が、早くも顕在化する。
リバウンドを取り切れずセカンドチャンスを許すと、SMBCの吉田が連続3P。瞬く間に7-7のイーブンに。残り5分03秒でクィーンビーズが1回目のタイムアウト。
しかし流れは変わらず、島村・吉田の外角シュートを捕まえきれない展開が続く。最大10点のビハインドを背負い、13-23で第1Q終了。
第2Q – 試合の潮目を変えたのはオフェンスである。
ボールが巡り、片山・池田の3Pが決まり始め攻撃にリズムが戻る。27-32まで詰めると、SMBCが残り5分16秒でタイムアウト。
ここから再び吉田の3Pに苦しみながらも、終盤にマレム、池田の連続得点で反撃し、41-46で前半終了。
それでも外角対応とリバウンド劣勢という傷は残ったままであり、後半への不安を抱えた状態で折り返すこととなった。

第3Q – 後半クィーンビーズはディフェンスのシステム変更で修正に乗り出す。
だがリバウンドへの反応は依然として甘く、取っては取られの殴り合いへ。
試合を繋いだのは渡邊愛加の連続スリーで、ここからリズムが生まれ、残り4分08秒には片山のドライブで2点差、さらに渡邊で同点。

そして井上桃子の3Pで60-57とついに逆転。
しかしファウルと前半から引きずるリバウンドへの対応の遅れが響き再逆転を許す。
それでもダフェ・ハディのフリースロー、三好青花の得点で粘り、66-66で最終Qへ。
この10分間は5度の同点。完全な撃ち合い、我慢比べの第3クォーターとなった。

第4Q – 均衡した状態から始まった最終クォーター。
平尾・前田の3Pで68-71とリードされるが、残り4分49秒、池田のアタックからマレムが押し込み72-71。小瀬の熱気は最高潮に達する。
しかしSMBCの外角は止まらず76-81。ここでも渡邊の3Pが試合を繋ぎ79-81と迫るが、残59.2秒、80-83となり勝負は最終局面へ向かう中、クィーンビーズが再びタイムアウト。

再開直後、井上桃子のジャンパーが決まり82-83の1点差。
そして残り9.7秒、クィーンビーズのオフェンスはインサイドのマレムにボールを入れるがSMBCがカット。万事休すかと思われた瞬間、SMBCのドリブルを井上が背面からスチール。そのボールを池田からマレムに繋ぎ、84-83と逆転。
SMBCのタイムアウト明け、残り9.7秒。
SMBCの痛恨のミスから得たオフェンスでマレムが獲得したフリースロー2本を沈め86-83。
SMBCの攻撃は3Pがリングに嫌われ、40分の激闘はクィーンビーズの勝利で幕を閉じた。
苦戦の40分間。それでも折れず、離れず、食らいつき、最後の土壇場で、この先につながる価値ある1勝をクィーンビーズは掴み取った。

今日のSMBCは2Pを上回る試投数と、成功率40%に迫る高確率のスリーポイントで45点を量産。
そのスリーが外れた際のロングリバウンドにも後手を踏み、セカンドチャンスを許したことで失点が重なり、「連勝再開の起点にしたい大事な一戦」を落とすことすら覚悟せざるを得ない展開に追い込まれていた。
しかし土壇場、残り1分。
苦しみ続けたディフェンスリバウンドを井上桃子が掴み取り、逆転への扉が開く。
続く場面でマレムへのパスが抑えられ最大の危機が訪れるが、ここでも井上が背後からスティールで繋ぐと最後は、この日インサイドで思うように得点できなかったマレムが、強い意志で押し込みゴールへねじ伏せた。
タイムアウトでベンチに戻るマレムを、今日は出場が叶わなかったディフェンスリバウンドの要・出原菜月が真っ先に迎える。
追いつけそうで追いつけない展開、歯車が噛み合わない時間が長かった40分。
それでも誰ひとり下を向かず、ベンチからは最後まで前向きな声と助言が途絶えなかった。そして、会場内のファン・ブースターが選手を背中を押し続けた。
あの残り1分は偶然ではない。
39分の我慢と耐え、積み上げの全てが結実し、技術を超えた“全員で勝ち取った1勝”となった。
今シーズン、ヘッドコーチも選手も口を揃えて言う。
「積み上げが最後の結果につながる」と。
今日を振り返ると、積み上げとは単にプラスを積み足していく行為ではなく、後退や停滞からどう立て直し、どう解決へ導けるか。
その過程こそが財産となり、本当の意味での積み上げになることを教えてくれた一勝だった。
今日の積み上げを、明日にどう繋げるのか。
乗せてしまえば手がつけられないSMBCの爆発力を、どう封じ、どう主導権を握るか。
GAME2もまた、目を離せない試合になる。

ヘッドコーチ・選手の談話
石川幸子ヘッドコーチ
前半はリバウンドを取られ、スリーポイントを気持ちよく打たれてしまいました。
特にスクリーンに簡単に引っかかり、ボールマンに十分なプレッシャーをかけられなかったことが失点の大きな要因だと感じています。スリーを抑えに行けばドライブを許し、ディフェンスの噛み合わせが悪い時間帯が続きました。
準備していた守り方も、強度とタイミングが不十分で機能しきれませんでした。
こちらのミスからリズムを渡し、相手の得意な形に持ち込まれてしまった展開だったと思います。
オフェンスでも前半は外が決まらず、自分たちのリズムではない状態でシュートを選択してしまいました。相手のインサイドの締め方は想定していましたが、アウトサイドを活かしきれず、焦りが出たように見えました。
ただ、後半はベンチからも声が出ており、最後まで諦めず戦い続けたことが勝ち切れた一番の要因です。
明日はインサイドをより強く使い、今日の良いところを継続していきたいです。ボールと人を動かし、ズレを作りながら攻める展開を増やします。
ディフェンスでは、まず1対1で守り切ること。
崩された場合でもチームでカバーし、強度を落とさず40分間戦い抜くことが必要です。
今日の課題を修正し、明日は内容と結果のどちらも取りにいきます。
キャプテン井上桃子
序盤から相手のスリーポイントを気持ちよく打たせてしまっていて、リバウンドが取り切れずセカンドチャンスで外に吐き出されてスリーを打たれる場面が多かったです。
スクリーンに簡単に引っかかってジャンパーを許してしまい、相手に気持ちよく打たせてしまったことが前半の悪循環につながったと感じています。
後半はディフェンスの守り方を変えて、スリーポイントやミドルのジャンパーの数は前半より減らせたと思います。
ただその分ミスマッチが多く、リバウンドでやられた場面もありましたが、4Qにかけて修正できたことは収穫です。
ベンチからも
「大丈夫だから」「このスリーポイントだけ気を付けて」
「リバウンド全員で助けよう」「ミスマッチのところをみんなで協力しよう」
という声が出ていて、暗くなりかけた場面もありましたが、やることは変わらないと確認しながら戦えました。
点差は前半に開きましたが、やるべきことを遂行すれば追いつけるという手応えもあり、最後まで崩れずプレーできたことは良かったと思います。
明日もまた、チーム全員で戦いたいと思います。
ダラーメマレムドイ
1ピリから4ピリまで、自分のプレーがうまくできていなかった時間があって悔しかったです。
でも最後までやり切ることができてよかったと思います。
最後のシュートは、私が決めないといけないと思って打ちました。
毎試合そう思ってコートに立っていますし、私がチームを引っ張らないといけないと思って、自信を持って打ちました。
インサイドで誰かがドライブして私に合わせる形が多く、最後もその形で点が取れたので良かったです。
明日は、序盤から優位に試合を進める展開に持ち込みたいです。
このチームは強いです。心も強いし、全員が「こうしよう」と決めた時は一緒に同じ方向に動けます。
最後の4ピリは、一本止める・一つもらう、その積み重ねを全員で共有して勝ち切れたと思います。
私はこのチームが優勝できると信じています。
池田沙紀
勝因は、最後まで諦めなかったことと、決め切るべき場面で決められたことだと思います。
特に井上選手のディフェンス、マレム選手のゴール下やフリースローなど、一つ一つ取り切れたことが大きかったです。
リードされ続ける展開で、精神的にもタフさが求められる試合でしたが、「絶対に負けられない」という意識は全員で共有できていたと思います。
ネガティブよりも“いける”という声かけが多かったですし、そこが最後まで戦いきれた要因だと感じています。
ただ、自分たちのディフェンスとリバウンドがもう少しできていれば、違う展開もあったと思います。
ディフェンスとリバウンドの部分が今日の課題で、明日はそこをしっかり切り替えないといけないと思います。
オフェンスは取れている部分もありましたが、取り合いになってしまうと相手のペースになるので、自分たちのバスケットができていなかったと感じています。
今日の問題点を改善して明日の試合に臨みたいです。
渡邊愛加
最後は本当に、気持ちで勝ち切れたと思います。
負けている時間でも「勝ち切るよ」という声が常に出ていて、ミスしてもカバーし合って、粘って戦えたことが良かったです。
ディフェンスは後半から変えたことで、狙いが絞れて守りやすくなりました。
相手にやりたいことをやらせないことが重要だと感じています。
準備してきた形と違っても、コート内でアジャストして対応できたのは今日の収穫です。
崩れた時に全員で守って、声を掛け合えたのは良かったと思います。
オフェンスでは、石川ヘッドコーチがポイントになる場面で自分に打たせる形を提示してくれたので、打ち切ることができました。
相手は空けばすぐスリーを打ってくるチームで、ボールが跳ねてリバウンドが難しい場面が多かったです。
高さが原因というより、全員で「誰かが取るだろう」ではなく、取り切る意識が必要だと思いました。
明日はそこを全員で取りにいきたいです。
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