山梨クィーンビーズ

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試合報告

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「Believe」――敗戦を糧に掴んだ今季初勝利。

山梨クィーンビーズ 73-71 アランマーレ秋田
ボックススコア

“信じた力が勝利を呼ぶ。”一つになったチームが掴んだ今季初勝利。

ディフェンスからリズムを生み出し、チームとして攻め切る。

それが、自分たちのバスケットである。

しかし、ゲーム1では止めるべき場面で相手のフィニッシュを許し、決めるべきシュートを決め切れず、流れをつかむことができなかった。

一夜明けたゲーム2。

これまで積み上げてきた練習は嘘をつかない。

「やるべきことを遂行する」ことに全員が意識を集中し、クィーンビーズは再びコートに立った。

試合前、ベンチ前のハドルでは、今季新加入でWリーグ11年目を迎える坂田侑紀奈が「もっと盛り上げていこう!」と声を響かせる。

その言葉に呼応するようにチーム全体の一体感が高まり、ゲーム2のトスアップを迎えた。

試合の幕開けは、池田沙紀のスリーポイントでクィーンビーズが先制。さらにマレム・ドイが連続得点を挙げ、7–2と理想的なスタートを切る。

しかし中盤以降、アランマーレ秋田のスリーポイントが立て続けに決まり、試合の流れが一変。佐藤、矢野、内藤らに外角から次々と得点を許す。オフェンスのリズムをつかみきれないクィーンビーズは、焦りからシュートがタフショット気味となり、さらにリバウンドを奪われて走られる悪循環に。

終盤もアランマーレ秋田の得点が止まらず、第1クォーターを12–26と14点ビハインドで終える。

立ち上がりでつまずいたクィーンビーズにとって、ここからどう立て直すかが問われる展開となった。

第2クォーターに入ると、クィーンビーズはマレムを起点にインサイドで攻め、相手にファウルを重ねさせる。

開始約3分でアランマーレ秋田のチームファウルは4つとなり、クィーンビーズが流れをつかみかける。

残り5分、23–30と点差を一桁に詰めると、アランマーレ秋田がたまらずタイムアウト。

ディフェンスの圧が徐々に効き始め、ボールへの寄りも早くなったクィーンビーズは、流れを完全に変えるチャンスをつかもうとする。

この時間帯、片山菜々が立て続けに3本のシュートを決め、ブースターの声援も一段と大きくなる。

しかし、ここからアランマーレ秋田が再び得点を伸ばし、残り2分23秒には27–36と点差を再び広げる。

石川幸子ヘッドコーチがすかさずタイムアウトを要求し、立て直しを図る。

クィーンビーズは良い時間帯をつくりながらも、なかなか流れを継続できず。

それでも坂田侑紀奈のスリーポイント、ダフェ・ハディのゴール下が決まり、前半終了時点で32–38。

6点ビハインドで折り返しを迎えた。

ハーフタイムに「もっとリングにアタックしていこう」と全員で確認し合ったクィーンビーズ。

その言葉どおり、後半の立ち上がりからボールがよく動き、攻撃にリズムが戻る。

池田、マレムの連続得点で一気に勢いをつかみ、残り6分26秒には45–47と3点差に詰め寄る。

さらに出原菜月がフリースローを2本沈めて同点。

この時間帯、ディフェンスも一層圧を強め、相手のパスを読んでスティールを奪うなど、集中した守りを展開。

一方で、残り3分を切ったところでクィーンビーズはチームファウルがかさみ、相手にフリースローを与える場面も。

要所でミスが出て流れを完全にはつかみ切れなかったが、それでもキャプテン井上桃子が気迫のドライブを見せ、得点後のワンスローを沈めて58–61。

3点差まで迫り、第3クォーターを終えた。

連敗スタートか、星をイーブンに戻して三菱戦へ臨むか。

この先の戦いの行方を占う、勝負の第4クォーターへ。

クィーンビーズは立ち上がりから高田栞里と出原が連続得点を挙げ、62–61と逆転。残り8分51秒、アランマーレ秋田がタイムアウトを要求する。

ここからクィーンビーズのディフェンスが一段と激しさを増す。

ハドルを何度も組みながら互いに声を掛け合い、アグレッシブな守りでアランマーレ秋田の攻撃を封じると、出原と高田の連続得点で69–63。

残り6分12秒、再びアランマーレ秋田がタイムアウトを取る。

アランマーレ秋田も粘る。矢野、高橋、クンバディヤサンの得点で残り4分には69–69の同点。

ここでクィーンビーズは渡邊愛加を投入し、流れを取り戻しにかかる。

残り2分、「リングにアタックすることが自分の持ち味」と語るキャプテン井上が、ドライブから冷静にジャンパーを沈めて73–71。

ベンチは総立ちとなり、会場のボルテージは最高潮に達した。

その後も井上がスティールで流れをつなぎ、終盤のアランマーレ秋田の猛攻をチーム全員で耐え抜く。

残り48秒、アランマーレ秋田のファウルでクィーンビーズボール。

最後まで集中を切らさず守り切ったクィーンビーズが、73–71でタイムアップ。

ホーム・富士北麓で今季初勝利を掴み取った。

ホームのアドバンテージを活かせず敗れた昨日のゲーム1を、クィーンビーズは決してネガティブには捉えなかった。

自分たちが積み上げてきた中で、何ができなかったのか。

その答えを導き出し、遂行したのが今日のゲームだ。

試合後、この試合でオフェンスの起点となったマレムは語った。

「このチームには、話を素直に聞いて、何事にもチャレンジできる選手がたくさんいて、コミュニケーションもよく取れています。

チーム全員が『自信を持って戦おう』と言い合って試合に入り、その結果として勝利を掴むことができました。

”Believe”山梨クィーンビーズは本当に良いチームで、努力を続ければ必ず優勝できます」

1勝1敗。星を五分に戻したクィーンビーズは、1週をおいて開幕2連勝の三菱電機との対戦を迎える。

ホームで掴んだこの1勝を、どう次につなげるか。

その答えは、11月2日・3日――名古屋市・枇杷島スポーツセンターで明らかになる。

ヘッドコーチ・選手の談話

石川幸子ヘッドコーチ

昨日の敗戦から、今日は必ず勝ちにつなげようという強い気持ちで臨みました。

第1クォーターでは、タイムアウトの判断が少し遅れた場面もあり、相手をリズムに乗せてしまい点差を開かれたのは反省点です。

それでも第2クォーター以降はプレッシャーをかけ続け、最後まで当たり負けせずに戦い抜けたことは良かったと思います。

昨日は追いかけてもなかなか追いつけない展開が続きましたが、今日は逆転して勝ち切ることができました。

この経験をシーズンの早い段階で得られたことは本当に大きいです。

ホームのブースターの皆さんの声援が、時間を追うごとに大きくなり、そのエネルギーが選手たちに乗り移ったのではないかと思います。

今日の試合の収穫は、インサイドでセンター陣が得点できたこと、そしてファウルをもらえたこと。

さらに終盤の勝負どころでは、出原、高田、そして井上がしっかり狙いを持ってアタックしてくれた点です。

1戦目を落とした後に2戦目を取り返す。これは昨季なかなかできなかったことでした。

今日は、ベンチでも「絶対勝つよ」という声が自然と出ていて、選手同士でコミュニケーションが取れていました。

そうした前向きなエネルギーがチーム全体に広がり、それが勝利につながったと思います。

キャプテン井上桃子

昨日の悔しさを全員で共有し、「今日は絶対にホームで勝つ」という強い気持ちで臨みました。

序盤はリードを許す苦しい展開でしたが、後半は全員がタフにリングへアタックし、ディフェンスでも最後まで守り抜く姿勢を貫けたことが、勝利につながったと思います。

昨シーズンは開幕から4連敗スタートで、努力してきたことが本当に正しいのか不安になる時期もありました。

だからこそ、今季は早い段階で勝利を掴めたことが本当に嬉しいですし、次につながる大きな1勝だと思います。

ハーフタイムでは「もっとリングにアタックしよう」と全員で確認し合い、後半は出原選手や高田選手が積極的にドライブしてファウルをもらうなど、チームに勢いを与えるプレーが出たのも大きかったと思います。

また、相手の好調な選手への守り方や、24秒を守り切ってからリバウンドを取り切る意識など、細部まで声を掛け合い、チーム全員で守り切ることを徹底しました。

この1勝に満足することなく、昨日・今日で出た課題を修正して、さらに進化していきたいです。

チーム全員で守り、全員で攻める――そのクィーンビーズらしいバスケットを、これからも山梨の皆さんにお見せしていきます。

ファン・ブースターの皆さんが、どんな状況でも声を枯らして応援してくださっていて、その姿に本当に勇気をもらいました。

苦しい場面で「応援に応えたい」という思いが、最後まで戦い抜く力になりました。

ダラーメ マレム ドイ

今日は、昨日できなかったことを修正してプレーできたことが良かったです。

昨日はプレーが単発になってしまっていましたが、今日は「決められてもすぐ走ろう」と全員で話し合い、テンポのあるオフェンスを意識しました。その結果、しっかり決め切ることができました。チームとしても、インサイドだけでなくアウトサイドのプレーも機能して、良いバランスで戦えたと思います。

試合前のハドルでは「絶対に勝とう」と声を掛け合いました。

その瞬間、チーム全体の気持ちが一つになったのを感じました。

試合中も、流れが悪くなりそうな時やディフェンスの集中が切れそうな時に、何度もハドルを組んで声を掛け合い、気持ちを立て直しました。

あのハドルの積み重ねが、最後まで戦い抜く力をくれたと思います。

このチームには、話を素直に聞いて、何事にもチャレンジできる選手がたくさんいます。

だから一緒にプレーしていて本当にやりやすいし、コミュニケーションもよく取れています。

チーム全員が「自信を持って戦おう」と言い合って試合に入り、その結果として勝利を掴むことができました。本当に嬉しいです。

「Believe」山梨クィーンビーズは本当に良いチームで、努力を続ければ必ず優勝できる。

次の三菱戦に向けても、今日のようにチーム全員で気持ちをひとつにして準備し、2試合とも勝てるように頑張ります。

片山菜々

昨日も今日も本当にタフな試合でした。その中で、接戦の場面を勝ち切れたことが素直に嬉しいです。

チーム全員で「楽しもう」という意識を共有して試合に臨んだので、コートでも自然と笑顔が出ていたと思います。それが見てくださっている方にも伝わっていたなら嬉しいです。

昨日の試合でもやるべきことはできていたのですが、「決め切る部分」が課題でした。今日はその修正を全員が意識し、自分の役割をしっかり果たせたことが勝因につながりました。

特に、昨日はシュートが入らない時間帯に流れを相手に持っていかれてしまいましたが、今日は同じような展開でも、ベンチからの声かけや励ましが多く、チーム全体で気持ちを切らさず戦えたと思います。

次の三菱戦も外国籍選手を中心に攻めてくると思いますが、マレムさんやハディがしっかり中を守ってくれると思うので、自分たちはチーム全員でサポートして勝ち切れるように頑張りたいです。

個人的には、今日はスリーポイントよりも中へのアタックが効果的に出せた感覚がありました。後半もその意識を続けられたことが良かったと思います。

出原 菜月

昨日は自分たちのやりたいバスケットができずに負けてしまいましたが、

「自分たちのスタイルを貫けば勝てる」という共通意識は全員が持っていました。

今日はそれをしっかりコートで体現できたと思います。

それは、全員が攻めるバスケットを徹底した結果です。

まだ完成には遠いですが、チームとしてやり切ったことで今日の勝利につながったと思います。

リードしてから点を詰められる時間帯もありましたが、焦らずに「どこにアドバンテージがあるか」を考えながらプレーすることができました。

状況判断を全員で共有できていたと思います。

個人的には、昨日はリバウンドが2本しか取れなかったのですが、

今日は苦しい時間帯にしっかりボールを掴めたことが収穫でした。

自分の持ち味はディフェンスとリバウンドなので、そこをベースに流れをつくり、

ドライブにもつなげられたのが良かったです。いいスタートを切れたと思います。

次の三菱戦も強豪相手になりますが、今日のように自分たちのプレーを貫けば、どんな相手にも勝てると思います。

得点を離されても、詰められても焦らずに、全員で考えながらプレーすることを継続していきたいです。

高田 栞里

昨日の試合では立ち上がりで相手に主導権を握られてしまったので、今日は試合の入りから全員で「前にプッシュして、ファーストインパクトを最初に狙う」と話していました。運動量を増やし、走る意識を40分間通して続けられたことが、今日の勝因につながったと思います。

試合の中で点差が開いても「まだいける」という感覚がありました。自分たちのやるべきことを信じて、少しずつ追い越せる展開をつくろうと意識していました。ゲームプラン通りに戦い抜けたことは大きな収穫です。

昨日、ホームでファンの皆さんの前で負けてしまったことが本当に悔しくて、今日は「絶対に勝つ」という強い気持ちで試合に臨みました。0勝2敗でスタートするのと、1勝1敗で終えるのとでは全く違います。クィーンビーズの一員として、プライドと責任を持ってプレーしました。

今日の勝利は、次の試合に向けてチームに大きな勢いを与えるものになりました。

この勢いを大切に、さらに良い雰囲気で次の三菱戦に挑みたいです。

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