山梨クィーンビーズ

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試合報告

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前半で掴んだ手応え、後半で見えた課題――21日後の開幕へ

雪辱ならずとも進化も示した40分間、次はホーム開幕戦の舞台へ

クィーンビーズ 59 -89 トヨタ紡織

立ち上がり、クィーンビーズはトヨタ紡織の激しいディフェンスに攻めあぐね、開始2-10といきなりリードを許す。8分4秒にたまらずタイムアウトを請求するも、流れは変わらず2-16まで広げられた。そこから片山菜々のスリーや出原菜月のドライブ、さらに上長美菜の連続スリーで盛り返し、セカンドユニットが必死に繋いで22-30と食らいつき第1クォーターを終えた。

第2クォーター存在感を示したのはマレム。ポストプレーに加え、スティールからの速攻で存在感を発揮。片山がフリースローを決め、35-34とこの試合で初めてリードを奪った。相手のファウルもかさみ、クィーンビーズが試合を引き寄せる場面もあったが、トヨタ紡織がすぐさま反撃。互いに一進一退の攻防を続け、前半を42-46とわずか4点差で折り返した。

後半に入ると、マレムが序盤から積極的に仕掛けるも、トヨタ紡織は長岡萌映子や東藤なな子の3ポイントで対抗。残り6分までは5点差に踏みとどまったが、オフェンスが停滞するとじわじわと点差が広がり、残り4分で二桁差。52-67と15点差をつけられ、第3クォーターを終えた。

最終第4クォーター、クィーンビーズは攻め切ることができず、加えてファウルが重なりリズムを失った。この先を見据えても、第4クォーターの残り時間で何をどう表現するかは重要な課題であると思われたが、得点が伸びず点差はさらに拡大。最後は力尽き、59-89と大差で敗れた。

試合開始直後は劣勢に回りながらも、コートに立つ全員で試合を繋いだ前半。ハーフタイムを挟み、圧力を増したトヨタ紡織のディフェンスに組織としてのオフェンスが機能不全に陥り、点差を広げられた後半。勝敗を分けたのは、その対応力の差だった。
成長の度合いと、今後への課題。両者が垣間見えた40分間だった。

キャプテン井上桃子はこう語ってアリーナを後にした。
「試合直後のハドルで全員に『目標はリーグ優勝だ』と伝えました。その思いはみんなの表情にも現れていた。昨年はこの大会で大敗して気持ちが落ちてしまいましたが、今年は逆に優勝へ向けて、ここから気持ちのギアを上げていく。反省すべき点はたくさんありますが、それを糧にもっと成長していきます」

10月18日、リーグ開幕戦は間近に迫っている。
21日後、ギアを上げプレステージインターナショナル アランマーレに挑むクィーンビーズ。
舞台はホーム・富士北麓公園体育館。熱い声援で、彼女たちを後押しを!

ヘッドコーチ・選手の談

石川幸子ヘッドコーチ

出だしで離されてしまったことは反省点ですが、そこから得点を詰めることができたのは良かったと思います。昨年のユナイテッドカップでは最初から最後までやられっぱなしという印象でしたが、今年は前半をしっかり戦えたという点で成長を感じました。

一方で、後半はオフェンスでスイッチやプレッシャーに対応できず、何をしているのか分からない状態が続いてしまいました。修正を試みましたがタフショットに終わり、ディフェンスではファウルやリバウンドで後手に回ってしまいました。そこは非常に残念に思っています。

試合の中では、全員で戦う姿勢は見せられました。しかし、プレッシャーを徹底的にかけられる中で得点に絡むシステムをもっと修正していかなければなりません。特に点差が離れる場面では、リングにアタックしていく選手が少なく、最後はタフショットに頼ってしまいました。もっと貪欲に得点を取りに行く時間帯が必要だったと感じています。

開幕が間近に迫っています。良かった部分は継続しつつ、プレッシャーやスイッチへの対応をもう一度練習で積み重ね、試合で出せるように準備したいです。

キャプテン井上桃子

試合の出だしでオフェンスリバウンドを連続して取られ、相手に点差を広げられてしまったのは苦しい展開でした。ただ、そこから自分たちの流れを引き寄せられたことは、サマーキャンプから取り組んできた成果が少し表れたのかなと感じています。途中からはリバウンドもみんなで協力して弾いたボールを拾うなど、立て直すことができた場面もありました。前半はしっかり戦えましたが、後半は相手がハーフタイムでアジャストしてきたことで得点が止まってしまいました。ここは次に向けた大きな課題だと思います。

昨年は本当に最初から最後まで通用せず、やられっぱなしという感覚が残っていましたが、今年は前半で42点を取れたことが収穫です。自分たちにそれだけの攻撃力があるという証拠なので、それを40分間続けること、そして相手の対応にどう応じるかが課題だと思います。

コートに立った選手がそれぞれ強みを発揮してくれたことで追い上げられました。オフェンスの中でその強みをもっと活かせるようにし、チャンスを逃さないようにしたいです。

ダラーメ マレム ドイ

前半の入りが上手くいきませんでしたが、第1クォーターの後半では良いプレーも出て点差を広げられずに踏みとどまれたと思います。ディフェンスでも粘れましたし、オフェンスでは速攻や1対1で自分の持ち味を出すことができました。ただ、後半はなかなか攻め切ることができなかったのが課題です。

スタートで思うようにできなかった分、ベンチに戻った時に「自分がやらなければいけない」と強く思いました。次に出た時は絶対に全力を出して、いつも以上にパワーを出してプレーしようと決めてコートに戻りました。第2クォーターはチームを引っ張ることができたのは良かったと思います。

6月にチームに加わった時と比べ、今では5対5の練習を重ねる中でお互いを理解し合えるようになりました。チームとして確実に良くなってきています。このチームなら優勝できると信じています。開幕までにまだ時間がありますので、今日の試合を全員で振り返り、目標を忘れずに前を向いて頑張っていきたいです。

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