山梨クィーンビーズ

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試合報告

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守って、追い上げて、それでも届かず

― 日立ハイテク戦Game1

山梨クィーンビーズ 58-52 日立ハイテク
(2026年1月30日/ひたちなか市総合体育館

ボックススコア

両チーム残り4試合を残して迎えた首位攻防戦。
優勝争いで断然優位に立つのは日立ハイテク。しかし、頂点への希望が残る限り追い求めるクィーンビーズは、敵地・日立ハイテクのホームであるひたちなか市へ乗り込み、この2連戦に挑むクィーンビーズ。

スタンドが日立ハイテクのチームカラーである緑に染まる中、人数では勝負にならないクィーンビーズのファン・ブースターが、音量では勝るほどの声援を送り続ける。

会場内の熱量が一気に高まる中、18時30分。
クィーンビーズにとって後がない、日立ハイテクとの戦いの火蓋が切って落とされた。

試合開始直後、日立ハイテクは舘山のフリースローで先制。対するクィーンビーズはダラーメ・マレム・ドイのシュートで追いつくが、その後、ディフェンスリバウンドに苦戦するクィーンビーズに対し、日立ハイテクは獲得したリバウンドからセカンド、サードチャンスをものにし、消極的なオフェンスが続くクィーンビーズに対して11点のラン。2―13とリードを広げ、開始5分でクィーンビーズはタイムアウトを要求した。

タイムアウト明け、コートに立った上長美菜からダフェ ハディにつなぐ新潟戦に続いてのホットラインでフリースローを獲得し、クィーンビーズの得点が動き出す。終盤には高田栞里も連続得点で反撃。序盤の出遅れはあったが、11―19まで点差を縮めて第1クォーターを終えた。

第2クォーター、開始直後に上長の3Pを皮切りに三好青花、出原菜月が加点。残り6分9秒、片山菜々のシュートでついに逆転。このクォーター、日立ハイテクをわずか6得点に封じ込める鉄壁のディフェンスを展開。終盤には井上桃子も加点し、29―25と4点リードで前半を折り返した。

守備でリズムを作り、リバウンドからの縦へのアタック、そして日立ハイテクのファウルトラブルで得たフリースローでも加点して主導権を握る。クィーンビーズの時間となり、この試合で最もクィーンビーズらしさが表れた10分間となった。

第3クォーター、一時は27―34とこの試合最大の7点リードを奪う。

しかし、ここから流れが変わり始める。日立ハイテクはアミナタを軸にインサイドで反撃。アミナタの連続得点で32―34。残り3分42秒に同点とされると、樋口鈴乃の3Pで逆転。さらに池松美波も3Pを沈め、40―44で最終クォーターへ。

オフェンスが停滞したクィーンビーズに対し、リバウンドからテンポよく攻める日立ハイテクはインサイドを支配。勝負所では外角のシュートも決まり出す。残り10分、試合前日の取材時にヘッドコーチが語った「気持ちを切らさず、やり続けること。そして40分間、冷静に戦うこと」を実践できるのか。優勝争いに踏みとどまるため、残された10分間が始まった。

日立ハイテクの3Pの勢いが止まらない。ホームに訪れた日立ハイテクブースターの応援のボルテージも一気に上がる。池松の連続3Pで40―50と点差は10に開く。

クィーンビーズはゾーンプレスでプレッシャーをかけ、ハーフコートではゾーンディフェンスにセット。日立ハイテクのターンオーバーを誘発し、片山、池田沙紀の3Pで52―54。残り4分7秒、ついに2点差まで詰め寄った。

だが、ここで再び立ちはだかったのがアミナタである。十分警戒し、その網にかからないよう、もう一本、二本とパスを回し続ける「やり続ける冷静さ」を、優勝争いのがっぷちに追い詰められた中で失ったか。決定機を、この試合6本を記録したアミナタのブロックで阻まれ、残り1分26秒にはアミナタ自らゴール下を沈められ58―52。

クィーンビーズは最後まで粘りを見せたが、そのまま試合終了。歓喜に沸く日立ハイテクとは対照的な幕切れとなった。

この試合、クィーンビーズはディフェンスで相手を50点台に抑え込んだ。第2クォーターの守備強度は圧巻で、試合を掌握する時間帯も確かに存在した。

一方で、立ち上がりのターンオーバー、第3クォーターのオフェンス停滞とそこからの失点、終盤2点差から決め切れなかった、言い換えると高さに阻まれた数本。
この“わずかな差”が勝敗を分けた。

試合終了のブザーが響き、日立ハイテクの選手たちがコートで歓喜の輪を作る。
その横で、わずかに残されていた優勝の可能性が途切れたクィーンビーズの選手たちは肩を落とし、目に涙を浮かべる姿も見えた。

しかし、試合後のクールダウンを終え、今日の試合を振り返った井上桃子の視線は、すでにプレミア昇格の可能性を残す入替戦進出へと向いていた。

入替戦にたどり着けば、自分たちの手で昇格への扉を開くチャンスは残されている。そのためには、まず2位を確保しなければならない。残された3試合で、その挑戦権を掴み取ること。

星の数が重要であることに変わりはない。しかしそれとは別に、この先の未来へ向かうため、同一カードで4連敗してシーズンを終えるわけにはいかない。一足先にプレミア昇格を決めた日立ハイテクから勝利をもぎ取ることも、今季残された大きな命題である。

明日こそ、その1勝を。
クィーンビーズの戦いは、まだ終わらない。

そして、その喜びをファン・ブースターと分かち合おう。

談話

石川幸子ヘッドコーチ

失点は50点台に抑えることを目標にしていましたし、そこは選手たちが本当によく頑張ったと思います。ただ、こちらの得点も50点台に抑えられてしまうと、やはり勝つのは難しい。苦しい時間帯に1対1に頼ってしまったり、チームとしてオフェンスを組み立てきれなかった部分があり、個人に任せる形になってしまった。そこは大きな課題ですし、プレミアで戦うためには、こういう接戦の場面で“チームとして”点を取り切れる強さが必要だと痛感しています。

相手のブロックに対しても準備はしてきましたが、もう一つ合わせ切れなかった。そこは非常にもったいなかったです。

リードして追いつかれたあたりから、少し焦りがあったと思います。向こうもきつい状況だったはずですが、その中でこちらがもう一段ギアを上げて激しくプレーし続けることができなかった。簡単なミスも、流れが悪くなった時に続いてしまいました。

それでも、優勝の可能性を残したまま今日まで来られたことは事実です。選手たちはここまで“優勝”という言葉だけを見て戦ってきました。入替戦の話は一切せず、ただ優勝だけを目標にしてきた。その中で今日の結果を受け止めて、まだ試合は続きます。ここはしっかり切り替えます。

ここからは2位をしっかり確保して、入替戦で勝つことが新たな目標になります。次はプレミアで戦っているチームと当たる。今のままでは通用しません。もっとレベルアップしなければならない。ここまで積み上げてきたディフェンスをやり抜いて、ベストを尽くして戦っていきます。

今日は、もっと攻められる場面はありました。消極的になってしまった部分も多かった。そこは明日、最初から思い切ってやってもらえるようにしたいです。切り替えて、また前を向いて戦います。

キャプテン井上桃子

正直、たらればですけど、勝てた試合だったと思います。それだけに悔しいです。

ディフェンスは本当に良かったです。60点以内に抑えようと話していて、それは達成できました。ただ、私たちが65点取ろうと言っていた中で、50点台に終わってしまうと、やっぱり厳しい。特に出だしでリングに向かう姿勢が足りなくて、ターンオーバーを連発してしまい、一気に相手の流れになってしまいました。

相手がかなりハードにディフェンスしてきた中で、最初はそれに圧倒されて逃げてしまった。でも途中から縦へのアタックが増えて、そこからアシストやレイアップにつながる場面も出てきました。2ピリの時間帯は特に良かったと思います。ただ、勝負どころの3、4ピリでスリーポイントを連続して決められたり、リバウンドを取り切れなかったり、そういう「あと少し」の部分の詰めの甘さが、最後の点差に表れたと思います。アミナタ選手のブロックも大きかったです。あれだけ大きくて手も長い選手はなかなかいない。1人では打開できないので、2人目、3人目とつないでいって、もっと大きなズレを作れれば、気持ちよくシュートが打てると思います。そこはチーム全体の協力が必要です。

失点の多くは、自分たちのミスからでした。ターンオーバーからの失点や、セカンドチャンスポイント。ハーフコートディフェンス自体は今日は本当に良かったと思うので、そこは明日も継続したいです。改善点はリバウンドと、もっと縦にアタックすること。それから相手のビッグマンに対してどう攻めるか。外のシュートは波がありますけど、リング下のシュートは確率が高いので、そこを増やさないと得点は伸びません。

ディフェンスからのブレイクで狙えれば、大きい選手が戻る前にヘルプのいない状況でプレーできる。そこも増やしていきたいです。

優勝はここで途切れてしまいましたが、まだ入替戦進出が決まったわけではありません。まずは明日、勝ちに行く。その上で、入替戦でプレミアに昇格するには相当なエネルギーが必要だと思っています。去年のアイシンさんと三菱電機さんの試合を見ても、それは明らかでした。2試合勝ち切るために、明日の試合は「プレミアレベルの相手に勝つ」ための一つの試練だと思っています。

今のままでは絶対に戦えない。明日は最初からエネルギーを出して、リングにどんどんアタックしていきたいです。

茨城まで応援に来てくださったファンの皆さんから「明日も頑張ろう」って声をかけてもらいました。悔しさはありますけど、試合は続きます。まずは勝つことだけを考えて、切り替えて、明日の出だしから全力でいきます。

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