山梨クィーンビーズ

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試合報告

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想定外の展開——耐え続けた40分の結末

攻め切れず、ロースコアで進行したGame1。

残り2分28秒、訪れた分岐点。

年内最後のホーム2連戦。
そして、両チームが優勝争いに踏みとどまるために、落とすことのできない重要な連戦である。
小雨が降る中、小瀬スポーツ公園体育館には1,258人のファン・ブースターが集結し、両チームの選手を声援で後押しした。
トスアップは13時。

立ち上がり、主導権を握ったのは三菱電機だった。開始直後から0-7と走られ、クィーンビーズはいきなりビハインドを背負う。インサイドを崩し切れず、タフショットが続く苦しい入り。残り7分48秒、石川幸子ヘッドコーチは早々にタイムアウトを要求。その声がいつにも増して大きく聞こえてくることから、今日の一戦の重要性がうかがえる。

その声に応えるように、流れを引き戻したのが片山菜々だった。チーム初得点となるスリーポイントを沈めると、坂田侑紀奈、渡邊愛加も続き、7-7の同点。残り4分33秒には三菱電機がタイムアウトを取る。
片山、高田栞里らのルーズボールへの反応も鋭く、インサイドとアウトサイドが連動。ボールがよく回り、互いに譲らぬ展開のまま、17-17で第1クォーターを終える。

第2クォーター、三菱電機のスリーポイントをケアしながら守るクィーンビーズ。しかし、残り4分31秒、オフェンスリバウンドを連続で奪われ、セカンドチャンス、サードチャンスを許す形で25-27と逆転される。ここで再びクィーンビーズがタイムアウト。石川ヘッドコーチはこの日、流れを切る判断を早めに下していく。

拮抗した展開は最後まで続き、前半は31-32。わずか1点差で三菱電機がリードしてハーフタイムへ入った。序盤の停滞から、途中出場で流れを作った高田が12得点をマークし、前半のスコアリーダーとなった。

後半に入っても、クィーンビーズはディフェンスの強度を保ち、ルーズボールにも食らいつく。我慢の時間帯が続く中、三菱電機のテイヤ・コースデイルにスリーポイントを決められるなど、じわじわと差を広げられ、37-41。クィーンビーズはリングに嫌われる場面も多く、耐える時間となった。

残り2分44秒、37-43とされたところでタイムアウト。それでも終盤に踏ん張りを見せ、42-43まで詰め寄る。勝敗の行方が見えない1点差という緊張感を残したまま、第3クォーターを終えた。

最終クォーター、ダラーメ・マレム・ドイのフリースローで逆転に成功。しかし、その後クィーンビーズは得点が停滞する。攻め手を欠く時間が続き、残り5分55秒で44-46。

46-46の同点に追いついた残り4分22秒、今度は三菱電機がタイムアウト。
残り2分29秒、三菱電機はスリーポイントとゴール下で一気に5点を奪い、46-51。
クィーンビーズはタイムアウトで打開を図るが、シュートは最後まで決まらない。

第4クォーターのクィーンビーズの得点はわずか4点にとどまり、46-55で試合終了。Game1は9点差で三菱電機に軍配が上がった。

攻め手を欠く場面、シュートがリングに弾かれる場面。
思い描いた展開で試合を遂行できない時間帯もあったが、クィーンビーズはディフェンスの圧力を保ち、46-46という同点のまま、勝負の行方を最終盤まで引き延ばした。

しかし、残り2分29秒。
均衡を破ったのは、この試合でクィーンビーズを苦しめてきた外国籍選手によるスリーポイント、その合計5本目だった。続くポゼッションではキャプテン澤がゴール下をねじ込み、三菱電機が一気に主導権を握る。ベンチの熱量、得点経過、そして会場の空気――流れは明確に三菱電機へと傾いた。
クィーンビーズは最後まで食い下がったが、この一連の攻防が、そのまま勝敗を分ける分岐点となった。

試合後、キャプテン井上桃子は悔しさを滲ませながら、「タフな勝負どころで相手の方が体を張ってプレーしていて、そこに自分たちが対応しきれなかったことが、最後の結果につながった」と語った。
しかし、クィーンビーズの選手たちが体を張っていなかったわけではない。

40分の試合の中で、エアーポケットのように現れるリバウンドへの反応の低下。組織としてのオフェンスの鈍化が招くタフショットの連続。今季、クィーンビーズが苦杯をなめる試合で顔をもたげてきたこの現象に対し、試合中にどう向き合い、どう解決していくかが問われている。

痛い1敗ではあるが、リーグ戦はまだ続く。
この先にも、乗り越えなくてはならないハードルは待ち受けている。
机上で星勘定をしてもきりはない。求めるのは、2026年2月7日、最終戦を終えた時に、どの位置に立っているか。

ただそれだけだ。

明日からまた、レースが再開する。

ヘッドコーチ・選手の談話

石川幸子ヘッドコーチ

今日の試合は、相手に46点に抑えられたというよりも、自分たちがイージーシュートを決め切れず、結果として46点しか取れなかった試合でした。相手のディフェンスは想定していましたが、その中で簡単なシュートを落としてしまったことが、試合を通して響きました。
シュートが入らない時間帯には、オフェンスリバウンドを取ってセカンドチャンスにつなげたかったのですが、ボールを取り切れなかったことも大きな課題です。

後半は単発なシュートが増えてしまいました。ワンプレーでそのままシュートに行く場面が多く、ボールが回らず、人も動けていなかったことが、得点につながらなかった要因だと思います。前半はボールが動き、インサイドも起点になっていましたが、後半はそこがうまく機能しませんでした。途中で高田選手が入って動きは出ましたが、最後は少し失速してしまい、攻め方にこだわりすぎてしまった部分もあったと感じています。
また、リバウンドが取り切れず、最後の大事な勝負どころでセカンドチャンス、サードチャンスを与えてしまい、チームとしてはかなり厳しい状況になりました。

明日に向けては、まず相手ビッグマンにスリーポイントを5本決められている点をしっかり修正しなければいけません。そして、今日46点に終わってしまったオフェンスについては、自分たちの形を作り、シュートを打ち切ることが大事になります。得点の目標は75点に設定していますので、そこに向けて準備し、最後までやり切る試合をしたいと思います。

キャプテン井上桃子 

今日のスコアを見てもわかるように、得点が伸びていないことが一番の課題だと思っています。
前半は立ち上がりが苦しい展開でしたが、途中で高田選手が積極的にリングアタックしてくれて、そこから自分たちの得点も伸びてきました。前半は五分五分くらいで終えられたと思いますが、後半、特に第4クォーターで自分たちの得点がまったく伸びなかったことで、試合の流れを相手に渡してしまいました。

ディフェンスは相手に圧をかけられていたと思いますが、ディフェンスリバウンドを取るまでがディフェンスです。その中で、最後にリバウンドを取り切れず、得点を許したり、ファールを犯したりする展開に陥ってしまいました。ルーズボールへの意識も高かったと思いますが、タフな勝負どころで相手の方が体を張ってプレーしていて、そこに自分たちが対応しきれなかったことが、最後の結果につながってしまいました。

明日は、得点につなげるために、まずディフェンスとリバウンドを徹底し、そこから速い展開につなげることが大事です。ブレイクをもっと出して、相手のヘルプが少ない状況で自分たちのオフェンスを展開できるようにしたいです。そのためにも、リバウンドを5人全員で、1ポゼッションを1回で取り切ることを徹底したいと思います。

会場で、これだけ多くの応援をしてもらっている中で戦えているので、明日はしっかり結果で応えます。

ダラーメ・マレム・ドイ 談話

今日は試合の入りがうまくいかず、流れを三菱電機さんに渡してしまいました。ゴール下で簡単なシュートを決め切れない場面が多く、そこで相手に流れを持っていかれたことが、試合全体に影響したと思います。

試合は最後までどちらに転ぶかわからない、我慢の展開だったと思います。その中で、自分たちが前に出られる場面もあったと思いますが、なかなかそこをつかみ切れず、最後は相手に走られてしまいました。相手のディフェンスが良かった部分もありますが、自分自身のオフェンスがうまくいかず、相手の流れを止められなかったことが悔しいです。

ディフェンスについては、しっかり守れていた部分もあったと思います。ただ、ディフェンスの後のオフェンスがうまくつながらず、波に乗り切れませんでした。

明日は、まず良いディフェンスをして、そこから良いオフェンスにつなげたいです。また、リバウンドでは三菱電機さんに多く取られてしまい、自分自身がボックスアウトをしっかりできていなかったと感じています。ジャンプする前のボックスアウトを意識して、明日は絶対にリバウンドを取らせないようにします。

今日の負けで順位が動く部分はありますが、まだ試合は続きます。まずは明日の試合に集中して、必ず勝てるように戦いたいです。チームとしては、何があっても優勝を目指していますので、前を向いて、明日は必ず勝ちたいと思います。

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