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揺らいだリズム、試された強さ
- 2025年11月22日
- admin
その答えを明日もう一度。
山梨クィーンビーズ 47-60 日立ハイテク クーガーズ
(2025年11月21日/小瀬スポーツ公園体育館)

7勝1敗、同じ勝率で並んだ日立ハイテクとの首位攻防戦。
クィーンビーズにとって大きな意味を持つGAME1は、ディフェンスでは粘りを見せたものの、オフェンスでは本来のリズムをつかめず、攻守のあらゆる局面で日立ハイテクの“高さと長さ”が立ちはだかった。
結果は47–60。手痛い敗戦となったが、この黒星をどう受け止め、どう修正し、どうGAME2に臨むのか。
明日、勝率を再び並べるための40分が始まる。

第1クォーター、クィーンビーズは高田栞里のスリーポイント、ダラーメ マレム ドイのポストプレーで一度はリードを奪った。しかし、ここから日立ハイテクの高さが試合の流れを変えた。
ファールを中心としたインサイドの圧力、外からのシュート、合わせの攻撃が的確に決まり、日立が主導権を掌握。
QBはパスが止められ、外のシュートに頼らざるを得なくなり、10–20と苦しい立ち上がりとなった。

第2クォーター、坂田侑紀奈、出原菜月が積極的にシュートを放つも決め切れず、流れを引き寄せられない時間帯が続く。
その中でダフェ ハディが気迫のこもったプレーで得点を重ね、渡邊のスリーも飛び出すなど反撃の兆しは見えた。
しかし得点は伸び悩み、22–33の11点ビハインドで前半終了。

第3クォーター、互いにスコアが動かない“我慢の時間”からスタート。
QBはゾーンで耐えるが、警戒していた「リバウンドから走られる形」を日立に繰り返し許してしまう。
インサイドで押し込まれ、セカンド・サードチャンスを奪われ、33–49で最終クォーターへ。

第4クォーター、最大20点差まで広げられたが、井上桃子の得点で一度は流れを引き戻し、池田沙紀のスティールから片山菜々、さらに池田自身のスティールからの得点で43–57。
会場の空気が変わりかけた。
しかし、残り3分9秒、水野のスリーで再び突き放される。
最後にマレムが意地を見せたが47–60。連勝は7で止まり、首位との差が広がる悔しい敗戦となった。
この日の試合、日立ハイテクの高さがクィーンビーズのシュート精度を揺さぶった。
クィーンビーズは前節まで戦った姫路・新潟とはほぼ同等の高さを持ち、インサイド陣では約3cm上回っていた。
しかし、日立ハイテクだけは違った。全体平均で約4cm、インサイド陣で約1.7cm上回るロスター構成。その“わずかな差”が大きな影響を与えたのだ。
バスケットにおける1~2cmの差は、打点・リリース角度・ショットチェックの距離を狂わせる。
そのズレが積み重なり、クィーンビーズは本来のリズムをつかみきれなかった。
石川ヘッドコーチも選手たちも「高さが気になった」と語ったが、それは言い訳ではなく、日立ハイテクの“高さの質”がもたらしたリアルな影響である。
さらに、数字では読み取れない「リバウンドの質」の差が敗戦を決定づけた。
スタッツ上は41–41と互角。しかし、第2~第3クォーターにかけてディフェンスリバウンドを取り切れず、セカンドチャンス、サードチャンスを繰り返し許した。
こぼれ球への反応が一瞬遅れ、ボールウォッチングでマークを外す。
そのわずかなミスが積み重なり、相手に流れを明け渡した。
試合後、石川幸子ヘッドコーチはこう語る。
「ボールを見てしまい、マークマンをボックスアウトできていなかった。
こぼれ球を“全員で取りきる”意識が足りなかった」
数字に残らない「質の差」が、そのまま結果へ直結したのである。
「リバウンド・ルーズボール」へのこだわりこそクィーンビーズの生命線。
明日、どう立て直してくるかが問われる。
試合後、観客が去り静まり返ったアリーナで、クィーンビーズの選手たちは黙々とシュートを打ち続けていた。
その表情は、敗戦の色ではなく、すでに“明日”を見据えた闘志そのものだった。
今日の課題を明日の強さへ変え、再び40分間の勝負へ向かう準備はすでに動き出している。

ヘッドコーチ・選手の談話
石川幸子ヘッドコーチ
序盤は相手のプレッシャーに押され、自分たちのリズムでオフェンスを展開することができませんでした。終盤にかけて少し盛り返すことはできましたが、リバウンドを取り切れず、良い流れをつくりきれなかったことが今日の敗因だと思います。
日立ハイテクを60点に抑えられたという点で、ディフェンスは評価できる部分もあります。
この試合は、選手・スタッフ全員が「大事な一戦」という認識を共有して臨んでいました。その中で今日の内容は悔しいものになりましたが、課題は明確になったと思います。
明日に向けては、ディフェンス面は少し修正すればさらに良くなると感じていますし、引き続きハードに守りたいです。オフェンス面では、相手のディフェンスにしっかりアジャストし、もっと得点を重ねられるチームだと思っています。相手の高さを気にしてシュートフォームが崩れる場面もありましたが、そこは修正して「打ち切る」意識を徹底していきたいです。
リバウンドについては、ボールを見てしまい、マークマンへのボックスアウトが徹底できていませんでした。こぼれ球を取られた場面も多く、全員で取り切る意識がまだ甘かったと思います。ここは明日に向けてしっかり修正します。
ファンの皆さん、今日もたくさんの応援をありがとうございました。悔しい結果となりましたが、明日は必ず勝てるよう全員で戦います。引き続き応援よろしくお願いします。
キャプテン井上桃子
前半は自分たちがうまくオフェンスの形を作れず、その隙を突かれて、相手に得意な形でスリーポイントを打たれてしまいました。特に第1クォーターの点差は、その部分が大きかったと思います。ただ、第2クォーターからはディフェンスが機能し、この10分を13点に抑えられたのはとても良かったです。
総合的に見ると、やはり40分を通して「得点力」が課題として残りました。
それでも、勝ちを重ねてきた分チームとしての自信はありますし、私自身もこのチームは優勝できる力があると今でも思っています。今日は負けてしまいましたが、必ず全員でカムバックして、明日は修正して勝ち切りたいと思います。
明日のGAME2に向けては、今日見られた「高さへの対応」や「最後のフィニッシュ」の部分は修正が必要です。なぜ攻めきれなかったのかという細かい部分をしっかり改善し、勝利につなげたいと思います。
池田沙紀
勝つことを強く意識していた分、今日の敗戦は本当に悔しいです。40分間通して自分たちのバスケットができたかと言われると、そうではなかったと思います。そこに向けた準備がまだ足りていなかったのではないかと感じていますし、チームとして“徹底力”が足りなかった試合だったと感じています。明日はその部分をしっかり切り替えて臨みたいです。
良かった点としては、ディフェンスで相手を飲み込めている時間帯があったことです。ただ、その後のリバウンドを取り切れず、流れを渡してしまう場面も多くありました。良い時間帯を40分間継続できなかったことが今日の反省点です。明日はディフェンスの強度と継続力をさらに大事にしていきたいです。
首位決戦という舞台の中、たくさんのファン・ブースターの皆さんが応援してくださって、本当に力になりました。その応援を、明日は結果として返せるように全力で戦いたいです。
日立ハイテクとは十分に戦えるという手応えは感じています。大事なのは、出だしから40分間、自分たちのバスケットをやり抜くこと。チャレンジャーとしてアグレッシブに、積極的に、エナジー全開で戦いたいです。
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