山梨クィーンビーズ

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試合報告

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進化を止めるな! 5連勝の先に見えた課題

勝利の中にも綻びを見つめ、次の一歩を探る。修正と挑戦、その繰り返しが希望を引き寄せる。

山梨クィーンビーズ 85-49 姫路イーグレッツ
(2025年11月9日/山梨市民総合体育館)

ボックススコア

目に見えるスコア。

数字だけでなく、内容でも相手を圧倒したいクィーンビーズだったが、序盤は姫路のテンポあるオフェンスに手を焼く展開となった。

しかし、第1クォーター中盤からはインサイドの高さを生かしたプレーでペースを掴み、徐々に点差を広げていく。

このカードを連勝で終え、通算成績は5勝1敗。

第4節を終えた時点で2位につけ、次節・新潟戦を迎えることとなった。

立ち上がりは姫路が主導権を握った。御子柴のスリーポイントで先制し、序盤は外角のシュートでリードを奪う。
しかしクィーンビーズは落ち着いて対応。ダラーメ・マレム・ドイが高さとフィジカルを生かしてインサイドを支配し、片山菜々のスリーポイントで流れを引き寄せた。
リバウンドでも主導権を握り、終盤にはダフェ ハディの連続得点でリードを拡大。第1クォーターを24–16と8点リードで終えた。

第2クォーターに入ると、姫路はインサイドを警戒してダブルチームで対応。山梨のオフェンスが一時停滞し、リバウンドから走られる場面も見られた。
石川幸子ヘッドコーチは早めにタイムアウトを取り、修正を図る。その後はディフェンスを立て直し、再び流れをつかむ。
片山のスリーポイント、三好青花のフリースローなどで再びペースを取り戻し、リードを維持した。
前半を46–27で折り返したクィーンビーズは、「中を固める相手に対して外がうまくチャンスを作れた」と#7井上桃子キャプテンが振り返るように、インサイドとアウトサイドのバランスを修正しながら得点を重ねた。

後半の立ち上がり、姫路がインサイドへのマークを強めてくると、クィーンビーズはインサイドにマークが集中する状況を逆手に取り、外へさばくオフェンスが機能し始めた。
この「インサイド・アウト」の連携が爆発し、片山がこのクォーターだけで2本のスリーポイントを沈めるなど、アウトサイドからの得点が活性化。
外角のシュートが決まり始めたことで今度はインサイドの攻撃もさらに生きるという好循環が生まれ、チーム全体のリズムが加速した。
このクォーターのクィーンビーズはフィールドゴール成功率66.7%、スリーポイント成功率60%という高確率を記録。
攻守両面で姫路を圧倒し、マレムや髙田栞里も得点を重ねて一気にリードを拡大。
25対9と圧倒的なスコアでこの10分間を制し、最大36点差までリードを広げる。スコアは70–36。
クィーンビーズが後半立ち上がりの修正力と攻撃の多彩さで、試合を決定づけた。

最終クォーターに入っても、クィーンビーズはリードを緩めなかった。
出原菜月がスリーポイントを沈めて73–40とすると、チームは勢いそのままに攻撃の手を止めない。
坂田侑紀奈が3Pシュート2本を含む10得点を挙げ、終盤のオフェンスを牽引した。
姫路も#14清川や#27木下が得点を重ねて粘りを見せたが、最大38点差までリードを広げる。
昨日に続き、全員がコートに立ったクィーンビーズが85–49でGAME2も制し、連勝を5に伸ばした。

試合後、石川幸子ヘッドコーチは「昨日の反省点をしっかり修正できた」と語りつつ、
「細かい部分の詰めはまだ甘い。接戦になれば一本の精度が勝負を分ける」と次戦への課題を口にした。
キャプテン井上桃子も「勝つだけでなく、内容にもこだわりたい」と、昨日に続いて同じ言葉を残し、会場を後にした。

戦いはまだ始まったばかり。
細部の精度を磨き、メンタルとフィジカルの強度を保ちながら、そして冷静沈着に。
目の前の敵に立ち向かうその先に、クィーンビーズの目指す道がある。

ヘッドコーチ・選手の談話

石川幸子ヘッドコーチ

二日間ご声援ありがとうございました。
昨日の反省点は、ある程度改善できたと思います。特に、ディフェンスをハードにいけたこと、そしてチームルールに従ってしっかり守れた点は良かったです。ポストへのパスも昨日より精度が上がり、インサイドで得点できなくても、そこからの展開で得点につながる場面が増えました。
一方で、ドライブに対するチームディフェンスは、キープレイヤー以外の選手に対してもう少しアジャストする必要がありました。昨日やられた那須選手には対応できましたが、他の選手にやられてしまった部分や、ミスからの失点も目立ちました。
終盤はゲームコントロールや積極性の部分で課題が残ります。それでも、全体としては自分たちのディフェンスを軸に、チームで戦い切れたことが大きな収穫でした。
相手が強くなるほど、1本のプレーの精度が勝敗を分けます。ディフェンスもオフェンスもあと一歩の詰めをやり切ること。タフな守備から良い攻撃へ――その流れをさらに高めていきたいです。

キャプテン井上桃子

昨日に引き続き、「内容にこだわってプレーしよう」というテーマで臨みました。立ち上がりはミスや決め切れないシュートが多く、リズムをつかむまでに時間がかかりましたが、途中から修正して自分たちのペースを取り戻せたのは良かったです。
昨日はインサイドでの得点が多かった分、今日は相手がそこを警戒して中を固めてきました。その分、外の選手がノーマークになる場面もあり、うまく中と外のバランスを取りながら攻められたのは収穫です。
ディフェンス面では、那須選手への対応はしっかりできましたが、他の選手にレイアップを許す場面もありました。1対1の守り方、縦の突破を防ぐこと、そしてチーム全体でのローテーションなど、細かい部分の精度を上げる必要があります。
今日の良かった点は、流れが悪い時間でも大崩れせず、しっかり修正して立て直せたこと。次節の新潟戦でも、やるべきことは変わりません。相手の得点源を抑え、チームディフェンスの圧をさらに高め、勝利だけでなく内容にもこだわっていきたいです。

片山菜々

前半は自分たちのミスから失点する場面が多く、リズムをつかめませんでした。イージーシュートを落としたり、パスミスからスティールを許したりと、修正点はいくつかありました。
ハーフタイムでは「結果だけでなく、プレーの質を上げていこう」とチーム全体で確認し、後半はディフェンスから流れを立て直せたのが大きかったです。
オフェンスでは、相手がインサイドを固めてきた中で、外の選手が積極的にシュートを狙う展開が増えました。自分も迷わず打ち切る意識を持ち、流れを変えるきっかけを作れたと思います。
次の新潟戦はナイトゲームということもあり、時間の調整やコンディションの維持も大事になってきます。高さではこちらが優位に立てると思うので、ビッグマンを起点に外のシュートを織り交ぜながら、チーム全体でアグレッシブに戦いたいです。

ダラーメ・マレム・ドイ

2試合続けて勝つことができ、チームとして良い流れをつくることができました。本当に嬉しいです。
昨日よりも相手のディフェンスがさらに強くなっていて、スピードも上がっていたので簡単な試合ではありませんでしたが、ゴール下でしっかりフィニッシュまで持っていけたことは良かったです。
次の新潟戦では、リバウンドやイージーシュートの精度をさらに高め、チームに貢献できるようにしたいと思います。
今回の2試合は、全員が出場して勝てたことが何より嬉しかったです。序盤でしっかり点を取って、みんながコートに立てる時間を作る。それが自分の役割でもあり、目標でもありました。それを実現できたことは本当に良かったです。

GAME PHOTO

EVENT PHOTO

応援に駆けつけてくれたクリーンファイターズ山梨のみなさん。
試合後にはチーム全員で記念撮影を行いました。

井上桃子はこう話します。
「クリーンファイターズ山梨さん、そしてFCふじざくら山梨さん。
同じ山梨を拠点に活動する仲間として、こうしてスポーツを通じてつながれることは本当に嬉しいです。
私たちも今度は応援に行きたいと思いました。お互いに刺激し合いながら、山梨をもっと盛り上げていけたらと思います。」


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