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7連勝の先に見据える未来――クィーンビーズの挑戦は続く
- 2025年03月03日
- admin
山梨クィーンビーズ 65 - 49 姫路

7連勝、そしてシーズン勝ち越しをかけた今季最終戦。フューチャーリーグの全6チームが集結して行われるニュートラル開催の舞台は、東京都大田区の大田区総合体育館。 県外での開催ではあるが、クィーンビーズの試合が迫る14時過ぎには、ベンチ向かいのスタンドが黄色に染まり始める。
今シーズンもここまで一緒に戦ってくれたファン・ブースターの声援が響く中、14時30分トスアップ。その熱い声援は、開始早々からまるで試合のクライマックスを迎える第4クォーター終盤のようなボルテージで、選手たちを後押しする。
試合開始直後、井上桃子がポストプレーから先制点を挙げたものの、クィーンビーズのオフェンスは重く、姫路にリードを許す展開に。それでも井上が連続得点を決めて逆転し、さらに姫路のスリーポイントが2本決まるも、18-15とクィーンビーズがリードして第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入ると、クィーンビーズはコートを広く使い、インサイドとアウトサイドを効果的に活用。池田沙紀が2本のスリーポイントを沈め、井上もポストで得点を重ね、攻撃に安定感をもたらした。ディフェンスではリング下で全員がボールに絡み、姫路の得点を抑える粘り強さを見せ、前半終了時点で36-24とリードを広げる。
後半に入っても、クィーンビーズの強度は落ちることなく、リバウンドとルーズボールへの執着を見せ、そこからのブレイクを展開。固いディフェンスで姫路の攻撃を封じながら速攻につなげる場面も多く見られた。一方で、姫路のディフェンスに押され、速攻からの失点もあったが、それでも51-33と18点差をつけて最終クォーターへ突入する。
第4クォーターに入ると、姫路が勝利への執念を見せ、連続スリーポイントで得点を重ね、残り6分で56-44と12点差まで詰め寄った。ここで石川幸子ヘッドコーチがタイムアウトを要求し、流れを引き戻そうとする。タイムアウト後、クィーンビーズは今日も全員でタイムシェアしながら戦い、最後まで運動量を落とさず、固いディフェンスで姫路の攻撃を封じる。試合終盤、クィーンビーズは再び流れを引き寄せ、試合終了間際、片山菜々がブザービーターのスリーを沈め、65-49で試合終了。
シーズン前半の苦戦を乗り越え、掴み取った7連勝、そして13勝12敗と勝ち越して戦いを終えた。
試合後のエンディングマイクで、キャプテン井上はこう語った。
「今日でこのチーム、このメンバーでの活動が終わってしまうと思うと、すごく寂しい気持ちでいっぱいです。このシーズンは、本当に苦しい時間が多く、チームがバラバラになりかけたこともありました。でも、そんな時にも、いつもファンの皆さんが自分たちのために声を張って応援してくださり、その声が自分たちの力になりました。そのおかげで、最後に7連勝という形でシーズンを締めくくることができました。
ただ、順位を見れば、上位チームとの差はまだあります。来シーズンに向けて、チームとしてさらに底上げをし、もっと強くなれるように頑張ります。」
今シーズンの苦悩、そして支えてくれたファン・ブースターへの感謝を込めた言葉だった。
試合後、最後のミーティングを終えた石川幸子ヘッドコーチも、1年を振り返る。
「やはり『悔しい』という言葉が一番に浮かびます。でもこのチームには、まだまだ伸びしろのある選手ばかりです。そこをしっかりと底上げできれば、もっと強くなれる。」
白星がなかなか積み上がらない苦しい時期もあった。しかし、その苦悩がチームの結束を強くし、全員でのタイムシェアを活かした40分間のオールコートディフェンス、そして泥臭くリバウンド・ルーズボールに絡むことが浮上の鍵を握った。
シーズン後半に掲げた「7連勝」という目標は達成した。
しかし、シーズン前に掲げた フューチャーリーグ優勝、そしてプレミア昇格という目標の実現は、来季への持ち越しとなった。
石川ヘッドコーチは続ける。
「このチームの未来を考えたとき、まずは優勝してプレミアに上がること、そしてプレミアに上がったら日本一を目指すことを、チーム全員がしっかりと共有できるようにならないといけません。誰か一人でも『無理でしょ』と思っていたら、絶対に叶わない。そうならないためにも、チームとして意識を高めていくことが、今後クィーンビーズがさらに強くなるためのカギだと思います。」
来季へと持ち越した目標を叶えるために、また新たな挑戦が始まる。
ファン・ブースターの皆さん、
今シーズンもクィーンビーズへの 熱い、熱い声援 をありがとうございました。
来季もまた、共に戦いましょう。
夢の実現に向けて。


ヘッドコーチ・選手の談話
石川幸子ヘッドコーチ
目標には届きませんでしたが、それが叶わないと決まった時から、選手たちはしっかりと切り替えて、毎日ハードなトレーニングを積み重ねてくれました。その結果が、今日の7連勝という形につながったと思います。本当に、選手たちが頑張った成果です。
このチームの未来を考えたとき、まずは優勝してプレミアに上がること、そしてプレミアに上がったら日本一を目指すことを、チーム全員がしっかりと共有できるようにならないといけません。誰か一人でも「無理でしょ」と思っていたら、絶対に叶わなくなります。だからこそ、チームとしての意識をさらに高めていくことが、今後クィーンビーズがより強くなるためのカギだと思っています。
1年を振り返ると、やはり「悔しい」という言葉が一番に浮かびます。でも、このチームにはまだまだ伸びしろのある選手ばかりです。そこをしっかりと底上げできれば、もっと強くなれると確信しています。
今シーズンは、全員でタイムシェアをしながら戦ってきました。ディフェンスの強度を維持するために選手を交代しながら起用してきましたが、しっかりと戦わなければならない時間帯での交代の判断が、本当に最善だったのか、もっと我慢して使うべきだったのか、交代すべきではなかったのか――その判断に迷う場面もありました。そこは私自身がさらに学び、成長していかなければならない部分だと感じています。
ただ、チーム全員で勝ちたいという思いは、常にあります。交代した選手が輝くことで、その交代が意味のあるものになりますし、そこで自信をつけてもらいたいという思いもあります。もちろん、試合ではミスも起こりますが、そこで終わるのではなく、次のプレーで取り返そうとする姿勢が見られるようになりました。それも選手たちの成長です。1人がミスをしても、周りがカバーする。ベンチからも声が出る。そういう部分は、去年よりも確実に成長したと感じています。
今日も多くのファン・ブースターの方々が駆けつけてくれました。東京での開催にも関わらず、試合前から黄色い応援団が見えたこと、本当にありがたかったです。やっぱり、勝つことで皆さんの笑顔が見られるのは嬉しいです。
1年間、応援ありがとうございました。
キャプテン井上桃子
7連勝でシーズンを締めくくることができて、まずはほっとしています。ただ、今日の試合も含めて、課題が残る部分はあったと感じています。シーズンを通して、自分自身も、そしてチーム全体も確実に成長している実感はあります。でも、この成長を来シーズンに活かし、さらに上を目指せるように、ここからまた課題と向き合い、練習を積み重ねていかなければなりません。
上位2チームとの差はまだあります。少しずつでもその差を埋めていかないと、来シーズンも優勝に絡むことは難しくなる。そこはチーム全員が理解していると思います。まずは個々のレベルを上げつつ、シーズン序盤から今日のようなパフォーマンスを発揮できるチームになれるように、さらに成長し続けていきたいです。
今シーズンを振り返ると、現在の立ち位置が明確に見えたシーズンでもありました。最終的に12敗のうち10敗が三菱電機と東京羽田に対するもので、この2チームに勝てなければプレミアには上がれないという現実がはっきりしました。勝った試合でも僅差のゲームが多く、負けた試合では勝負どころでスリーポイントを決められたり、相手が一枚上手だったシーンが多かったように感じます。そういった勝負どころで勝ち切る力を、今後さらに磨いていかないといけません。
ただ、この7連勝の間、競った場面やビハインドの展開でも、チーム全員が自分の役割を理解し、最大限のパフォーマンスを発揮できていました。こうした試合を積み重ねたことで、勝ち方を学べたと思いますし、これは来シーズンにつながる大きな経験になりました。どんな状況でも常に最高の準備をして、最大限の力を発揮できるチームになれるよう、また新たなシーズンに向かっていきたいです。
キャプテンとしての1年を振り返ると、シーズン序盤の4連敗は本当に厳しかったです。チームとしても苦しく、掲げた目標が逆に自分たちを追い込んでしまっていると感じることもありました。でも、勝ち星を積み重ねるうちに、チームの中で「どうやったら勝てるのか」「どう成長できるのか」といったことを考えるようになり、練習中の声かけやコミュニケーションも増えていきました。特にバイウィークでは、2対2や3対3といった細かい部分を見つめ直すことができ、それが得点力の向上にもつながったと思います。
この成長を忘れず、さらに高めていけるよう、また新たなシーズンに向かっていきます。
中山 彩奈
今シーズンを振り返ると、昨シーズンは1年間プレーできなかった分、今シーズン全試合に出場し、プレーできたことがまず何より嬉しかったです。それまでの過程で、試合でも練習でもチームメイトに支えられながらここまで来ることができました。本当に感謝の気持ちしかありません。
シーズン後半になるにつれて、チームの結束力がどんどん高まっていくのを実感しました。誰かがミスをしても、誰かがフォローする。シュートが外れても、誰かがリバウンドを取る。そういった場面が増えるたびに、チームとしての成長を感じました。そして、シーズン終盤に向かうにつれて、練習でも「勝ちたい」という気持ちが一層強くなり、全員がその思いを共有しながら戦えていたと思います。
やっぱり「勝つ」ということは大きいです。勝つことでチームの見られ方も変わりますし、応援してくれる人が増えたと実感しています。特にホーム戦で多くの勝ち試合をお見せできたことは大きかったです。より多くの人に試合を見てもらえる機会が増えましたし、応援してくれる人の数が確実に増えたと感じています。そのおかげで、選手一人ひとりが「応援されている」という自覚を持ち、より一層頑張ろうという気持ちになれました。
今シーズンの目標には届きませんでしたが、それでも最後にこうして良い形でシーズンを終えることができたことは、来シーズンにつながる大きな財産になると感じています。















シーズンを終えて選手のコメント
#1 アンモールプリート コール
今シーズン、クィーンビーズで初めての7連勝を達成でき、本当に嬉しいです。このような結果を出せたのは、いつも支えてくださる皆さんのおかげです。これからもよろしくお願いします。
#2 池田沙紀
今シーズン、苦しい時もどんな時も応援してくださる方のおかげで走り切ることができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
#5 富田愛理
試合の時に声をかけてくださるのが嬉しかったです。会場の声援も今まで以上に熱く、チームも盛り上がりました。皆さんの応援の力に改めて感謝しています。ありがとうございました。
#13 高田栞里
アーリーエントリー選手として少しの間ですが、QBの一員として帯同させていただいて、たくさんの応援やサポートをしてくださってありがとうございました!この期間で学ぶことも多くあって来シーズンはレベルアップした姿をみなさんに魅せることができるように頑張ります!今後とも応援のほどよろしくお願いします!
#14 濱西七海
シーズン序盤は中々勝ち切ることができず、チームもファンの皆さんにも苦しい思いをさせてしまったと思います。
ですが、個人でもチームでもそこを乗り越えたからこそ今のチームがあり最高の形でシーズンを終えることができました!
今のメンバー、スタッフ、そして何より県民の皆様、ファン、ブースターの皆様がいたから今の自分がいます。
ありがとうございました!
私達は目指していた所に行けたわけではありません。これを次に繋げられるかは自分達次第です。
これからも進化を続けるQB、各選手を温かく見守っていてください。
#17 片山菜々
今シーズンもたくさんのご声援ありがとうございました。目標を達成できず、悔しい気持ちもありますが、少しずつ自分達の成長を感じながら最後まで戦い抜くことができました。
ホームゲームではファンの方の熱い声援に鳥肌が立つこともありました。
改めて素晴らしい環境でバスケットができていることに感謝したいです。
ありがとうございました。
#22 三好青花
いつも応援ありがとうございます!
個人的には膝の怪我とたくさん向き合うシーズンになりましたが、ファン・ブースターの皆さんの応援が力となり、自分らしく最後まで駆け抜けることができました!
目標であったプレミア昇格には届きませんでしたが、今のチームメイト・応援してくださった方々と共に戦った25試合、バスケットの学びはもちろんですが、何より勝利の喜びをたくさん分かち合えることができてとても幸せでした!
今シーズンもたくさんの応援ありがとうございました!
#24 中澤梨南
今シーズン沢山の応援ありがとうございました!山梨でのホームゲーム皆様の応援のおかげで楽しく頑張れました!アウェイでも沢山のファンの方が足を運んでくれて、辛い時間帯でもとても頑張れました!本当にありがとうございました!
#30 土田帆乃香
今シーズン、目標としていた優勝には届きませんでしたが、最後は7連勝して終えることができ、チームとして成長できた一年だったと感じています。
苦しい時期も皆さんの応援のおかげで、頑張ることができました。
たくさんの応援ありがとうございました。
#31 石川明日香
今シーズンたくさんの熱い応援ありがとうございました!
みなさんの温かいお言葉や応援がとても力になりましたし、ホームゲームでの応援は本当に心強くて、最高でした!チームメイトにも恵まれ、このメンバーで戦うことができて本当によかったですし、みんなのおかげで楽しいシーズンを過ごすことができたので、感謝の気持ちでいっぱいです!
これからも山梨QBの応援よろしくお願いします!
#37 上長美菜
移籍して初めての事だらけで大変なシーズンでしたが、楽しくチーム一丸となってバスケをする事ができました!
応援ありがとうございました!
#45 渡辺 愛加
今シーズンはWリーグが2部制になったことにより、
今までとは違い難しい部分がありましたが
個人的はもっとできた事があったのではないかと悔やむ事も多かったのですが
たくさんの声援のおかげで連勝することができました。
目標の優勝には届きませんでしたが
みなさんと戦えて嬉しかったです!
ありがとうございました。
#72 出原菜月
1年間たくさんの応援とご支援をいただきありがとうございました!!
個人的にもチーム的にも苦しいシーズンではありましたが、全員が助け合って、良い形で終えることができました。
来シーズンもぜひ応援いただけると嬉しいです。
ありがとうございました。